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ついに今日フランスでの生活が終わりました。

本当に様々なことがあった渡仏前、フランス在住中のすべてのことを今でもはっきりと想い出せます。。料理を始めた時から決めていたフランス修業。そして今年1月に決めた旅行でも良いから必ず学生のうちに1カ月以上フランスに住み文化を学ぶという目標を達成し、また初めて料理だけにこんなにも集中させてもらい、今までたくさんの方が伝えてくれていた言葉の真の意味を初めて理解できた3か月でもあった。22歳にもなると初めての経験が少なくなってきて、これほどに濃厚な時間を過ごすことも少なくなってきていた。そんな中でのこの研修は自分に新たな気づきと将来をより鮮明に見せてくれた。だからまずはこの環境に立つことを応援して下さり支えてくださった皆様に感謝申し上げます。

そして、どんな状況でもやり切った自分を今日だけは褒めてあげたい。今この文章をCDG空港で書いているのですが本当に思い出すだけで涙が出そうです。

ただの3か月だろ!と思うと思いますが、自分にとってはものすごく毎日が恐怖の3か月だったんです(笑)だから今日だけ自分をほめさせてください。

「よくやり切ったKikiまた目標に一歩近づいたな!そしてお前はもっとできる!頑張れよ」

 突然決まったこのフランス修行。最初はこんなチャンスが本当にあるのか、渡仏した先でちゃんと働けるレストランはあるのか。本当にすべてが?だった。でもとりあえず行くしかないと心を決めて動き出した。終わった今だから全て話すが渡仏前お金にも時間にも余裕のなかった僕は本当に浅い考えをし、様々な方に迷惑をかけ、不快な思いをさせたと思います。

ここでの謝罪になりますが気分を害してしまった方々誠に申し訳ございませんでした。

そしてフランスに渡ってからは初日から本当に様々なことに見舞われました。

準備していたesimが使えないという事実、予定していたバスが全く見つからず空港を2時間歩き回ったこと、そしてやっと電車に乗れたかと思えば…この先はまた笑い話をしているときにでも聞いてください。崩れ落ちますよ(笑)

そして何とかついたレストラン。緊張しすぎてシェフと握手する時手汗がすごくて凄く拭いて握手したのを覚えてます。その頃は本当に何も聞き取れなくて何もしゃべれなかった。

そして翌日から仕事が始まるとそれは期待していたガストロノミーの厨房ではなかった。

ビストロでの仕事。ルームメイトは18歳なのにガストロノミーで働いている。

なのに自分はビストロの仕事もろくにできず言葉もしゃべれない、そんな自分が悔しくて、悔しくて仕方がなかった。働き出して3日目で冷蔵庫を壊し、5日目にはお皿を割った。

やらかしすぎて、毎日自分の無能さが仕事のできない自分が恥ずかしくて仕方がなかった。

でもそんな中でも時間は一定に過ぎてゆく。だからまずは自分は何ができてなくて何ができているのかということをまとめた。その結果、言葉が分からないからメニューが分かっていないから1日のやることをわかっていないから常に遅れた仕事をしていると気が付きました。そして自分学ぼうとしてばかりで何も先輩や仲間にサービスを提供できていないということも発見しました。なのでそれからはメニューを前日に説明してもらい、やるべきことをまとめ、昼の営業が終わるとその日の料理を簡易的にデッサンして夜の営業に向けて準備をしました。このデッサンをすることにより、食材名、調理方法などのフランス語を覚えていくことができました。結果料理に必要な食材、組み合わせ、言葉などを覚えることができ、以前よりスムーズに仕事ができるようになりました。

そして僕がもう一つ力を入れたのが与えるということ。そこでよく考えました。今の自分が与えられることって何だろうと。技術?いやそんなものはまだない。今与えることができるのは自分の時間しかないと気づきました。それまでの自分はみんなと同じ時間に出勤し、同じように働く。しかしそれに気づいてからは今までより30分前に出勤し、まな板、お皿、道具、飲み物を準備した。そして1日の流れを確認して仲間が来たら自分の計画を答え合わせしていくようにした。まず全ての準備をしていることにより、一歩ずつ自分の価値を上げていくことができた。先輩や仲間にとってはめんどくさいことをしてくれるやつと認識していってもらえたと思う。そうすると必然的に違う仕事も任してもらえるように、JAPANISE BEST と言ってもらえるようになった。出国前にバイト先である中国菜 有道理 オーナーシェフの竹田さんがこのような言葉をくれた「皆が休んでいる間に働きなさい」

自分が時間を提供するという考えになったのはこの言葉を思い出したからである。

この言葉が何もできず、毎日足手まといでしかなかった自分を助けてくれた。感謝します。

そんな中突然自分が人に指示を出す側になった。仕事を覚えてきたところであり、できるようになったと思っていた。しかしそんな伸びた鼻を折られた。それは全くリーダーとしての仕事ができなかったということ。指示を出し、ミスをカバーして、常に一定したものを作り出す。それができなかった。なぜなら自分で精一杯だったから人のミスを許せなかった。

なぜそうしないんだ、なぜ、俺が言ったとおりにしてくれ。そうすればすべてうまくいくんだと本当に自分で一杯だったから、人の考えやミスを享受したり、カバーする余白が一切なかった。それに気づき自分はまだまだと思うのと同時に今働いているのはビストロだぞ。そこで天狗になっている。目指しているのはガストロノミーで働くことだろと現状に満足してしまっていることに気が付いた。

そこからもう一度意識の変革に取り組んだ。語学、仕事の仕方、アプローチの仕方、ガストロノミーで働くためにより価値を提供できる人間になろうと思った。結果は有難いことに最後の1か月をガストロノミーで働くことができた。ミシュラン1つ星のレストランで働くことができた。しかしガストロノミーに来たら、技術のなさをもっと痛感した。包丁の扱い方、ポムスフレを作れなかったり、スライスできなかったり、まだまだなんだなとちゃんと体験できた。だからよかったと思う。MOFという高い技術者だけがもらえる資格をもったシェフの下で仕事ができ気づいたのはまだまだということと、かっこいいシェフを見れた。また一人あこがれのシェフができ、目標ができた。

実は今回自分がガストロノミーで働けたのは日本人コックの立石耕三さんの力であると思う。立石さんが自分をシェフに推薦してくれた。そして言葉が分からない中、全てを説明してくれた。ミスをした時にはアフターフォローまでしていただいた。この方が居なかったらきっと自分はできていないだろうなと思う。

本当に自分は出会う人皆さんに助けてもらっている。今回のフランス修行ではよりそれを感じた。だからこれから8年間はとりあえず走り抜ける。どんな壁が立ちはだかろうと自分がきめた目標を達成する。それがきっと今まで支え応援して下さる方に唯一の恩返しだと思うから。

この3か月のフランス生活は1人の時間が多く、将来について深く考えることができ、それの判断材料も毎日よく見つかった。最初にも述べたがこれほどに良き体験をできる環境に生きれていることに感謝いたします。またこれからもより一層謙虚に研鑽していくことを誓います。まだまだ皆さんに迷惑をかけることがあると思いますが、必ず料理で人に感動と幸せを与えられる人間、料理人になりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

これを持ちましてブログ フランス章を終了と致します。

ありがとうございました。

今日はあのポールボキューズに行ってきた

Paul bocuseはリヨン駅からタクシーで25分ほどのところにある。近くにはローヌ川が流れ、周りは自然に囲まれている。

Paulbocuseは現代のフレンチを作り、世界にフレンチを広めたとされている。

2018年まで53年間ミシュラン3星を取り続けていた。現在は二つ星であるが、やはりその知名度と、人気は変わらない。

リヨンにはbocuse市場というものがあるほど食に影響を与えている。

そんなPaulbocuseのことを今回は紹介していきたいと思う。

Paulbocuseに着くと最初に目に入るのはオレンジと緑の建物。これをみるとbocuseに来たのだと感じる。

まずはドアマンが車からドアまで案内してくれる。まずここで幸せになれる。素敵な笑顔とbocuseのスタッフとしての誇り。所作が美しいな。それと同時に暖かいオーラを感じる。そしてお店に入るとそこには8名ほどのサービスマンがずらっと並び、こんにちは。お待ちしておりました、来てくれてありがとうと出迎えてくれる。手が届かないだろうと思うとこまでピカピカにされている。そしてアンティーク調のインテリアで揃えられた店内。誰かの友人のお家に招かれたような落ち着く雰囲気がある。

席に着くとまずはドリンクを聞かれ、どのコースにするか聞かれるが優柔不断な僕はなかなか決めれない。まあそんなこんなしてるとシャンパンが来て、アミューズも来る。

飲みながら食べながらゆっくり考えてと言ってくださる。そして今回は三つある中の真ん中のコースにした。

まずアミューズはコンフィドオニョンのパイ

次にポムピューレのグジェール

最後に半球型に焼き上げられたブリニにキャビアの王道の組み合わせである。

安定である。

そして次がカリフラワーとカレーのタルト。

スパイスがほんのり香るアジアンチックなタルトに焼いたカリフラワーの穂とカリフラワーの軽いムースが載っている。

表面には様々なカラーのカリフラワーの穂

を乾燥させたものが乗っている。

定番の組み合わせなのだが、全てにおいてかっこいい仕事がされているからこそ、違和感がなく、味わえる。

ここから三連続で自分を震撼させる料理が出てくる。

まず一品目はオマールの伝統的サラダである。これはなんといってもソースがたまらないです。ジュドオマールにユイルオオマールを合わせたシンプルなソース。しかし香りが抜群で意味で食べた甲殻類のソースの中でダントツでした。甘みの強いオマールブルー。

そこにセロリ、カブ、にんじんのサラダとアボカドのピューレ。そして全体にインパクトまろやかさを与えるのが2種のマヨネーズ。

食感にはエシャロットのチップス。

完成度が高い。どこを食べても美味しい。

レタスはシャキシャキで、角切りにされた野菜たちは全て同じサイズ。妥協や隙が一切見えない料理。感動です。

次はホタテの一皿。

バースニップのピューレ、パースニップのチップス、ジュドサンジャック、ホタテのステーキという超シンプルな一皿だが、これがまた衝撃を与えに来た。

まずはホタテの火入れ、完璧である。

甘み、ジューシーさ、食感、香り、最高です。そして次にピューレ。滑らかさ、パースニップを美味しく食べるために必要最低限の追加食材。素晴らしい。

そして1番驚いたのがこのソース。

説明はフランス語だったので全てを聞き取ることが不可能でしたので予想しながら食べて後で聞こうと思っていました。このソースを食べた瞬間絶対に子牛や牛が入っていると思いました。そして質問してみるとホタテだけだと。なんということしょうか。

ありえないとも思いました。それほどに旨み、香り、油のとろみがホタテだけではなかったのです。多分このお皿は一生記憶に残る一皿になりました。

そして最後がリエーブルロワイヤル。

なんという引き寄せの力。

もうここ何年も野うさぎを食べたくてずっとインスタで見たり、本で見たりしていた。

そしてフランスに来て家畜のうさぎラパンは食べたがそれでも満足できず、ずっと求めていたものがこのレストランで食べることができるなんて嬉しすぎた。

どんな味なのか、どんな食感なのか、どんな香りなのか想像を膨らませながらまず一口目を食べた。あぁぁぁ〜うまいぃぃ

力強く、野原を走り回る姿をパッと連想させてくれる味、そして最後に香る血の香りが命を感じさせてくれる。

そのストーリーやエピソードを楽しむことができるのは料理人の圧倒的技術があるからである。肉の繊維はほろほろに崩れる一歩手前、そして肉の旨みは一切煮汁に出ていないため、香り、旨みジューシーさを損なっていない。10の味にワインの香り、ミルポワの甘味などを足して11の味にしている。

まさに味を凝縮していくフランス料理の花形である。3年前初めてフランス料理に出会った時もこの凝縮という工程に惚れたなと今思い出した。そしてこの日はまだシャンパンしか飲んでいなかったが、気づいたらソムリエさんにワインをお願いしていた。そのワインがまた良いワインだった。最初は弱いかなと思ったが一皿を食べる終わる頃には本当に絶妙なバランスでワイン、リエーブルの余韻を楽しめるものだった。俺だったらもっと香り、味、渋みを強いものを持ってきてしまう。まだまだペーペーだなと思わされる1コマでもあった。

そんな感じで残りはフロマージュとデセールである。

どちらともワゴンで提供される。フロマージュはもう最高の一言。フランスのチーズ本当に美味しいです。ぜひ一度食べてみて欲しいです。合わせたワインはvin jaune(黄色いワイン)という種類のもの。

すっきりとした甘味と軽い熟成香がフロマージュとベストマッチである。

デセールは選ぶ楽しさなどはあり、基礎がきちんとしている、ちゃんと仕事のされたデヘールであった。ご馳走様でした。

今回Paulbocuseに伺い1番感じたことは最初に述べましたが、本当にお家に招かれたような楽しい気持ちと落ち着きのような空間だったということ。picとは空間の作り方が真逆かなと感じました。どちらがいいではなくて、どちらも最高なんです。その中でもレストランはこの2つの種類に分かれるよなとは感じました。はじめてのPaulbocuse、これからの料理人人生においてすごく大切な体験でした。王道を知り、真似して、会得し、そして自己流に変化させていく。まだまだ長い道のりですが一歩ずつ確実に進み続けます。

Merci beaucoup Paul bocuse!!

フランス ヴァランスにある三ツ星レストラン 「pic」に行ってきた。

実は今まで星付きのレストランに食べに行ったことがないという事実を発見してしまった。

三ツ星を目指しているのにその世界を全く知らなかったのである。

だから今回は三ツ星がどのようなレベルなのかそれを体験しに行ってきた。

Picはホテル、ガストロノミーレストラン、ビストロを経営している。

そして現在は三代目である。三代目オーナーシェフはフランスで女性シェフとして53年ぶりに三ツ星を獲得した。名前はアンヌ・ソフィー・ピック。

そんなシェフが作る料理や空間は細部まで気配りがされており、繊細でエレガントな空間と料理であった。

それでは体験談を話していこうと思う。

まずお店に入るとそこには広いロビーがあり、受付のスタッフの方が案内してくれる。

どれだけ長いのかと思うような廊下にはたくさんの現代アートや、これまでの歴史を見ることができるものがある。その廊下を一歩一歩歩くたびに心は踊り、非日常空間に導かれる。

やはりお金を生まないこの余白のスペースはレストランには必要なものだと感じる。

そして席に着き、一番最初に驚いたのはサービスマンの人数だ。

その日は20名ほどに対して、10名ほどのサービスマンが居た

そしてサービスマンのレベルの高さにも驚く点はたくさんあった。

動きに無駄はなく、お客さんとの絶妙な距離感、歩き方、立ち方、どれをとっても美しかった。純粋にサービスマンのことをかっこいいと思った。

料理が出てくるまでにこれがプロの仕事でこれがサービス業の最高峰かと感じる。

この日、ワインは3杯頂いた。初めにロゼのシャンパン。ピノノワール100%の物で一口飲むとそれは驚き。フロマージュの香りに赤い果実の香りが脳にやってくる。なんて美味しいんだと感動。そしてマコンヴィラージュ、最後はシラーで占めた。

料理は合計7品

アミューズが三品

スモークサーモンのムースのタルト、八朔のような柑橘と頂く。ムースの中にはアボカドのクリームが、塩味と香りのバランスが良い。次に海藻のタルト。生地はクランブルのようにほろりとなくなり、青のりの香り、昆布の旨味がやってくる。最後はフロマージュとハーブのパートフィロのタルト。パリパリの食感から風味豊かなブルーチーズの香りが口内に広がる。

アミューズだけでもその繊細さとクオリティの高さを味わえる。すべてが最適な温度と最適な食感である。

次にアントレ一品目 牡蠣の一皿 海の香りと共に

お皿の構造は生の牡蠣に海水のシート、海水の泡のソース、コルニッション、ケッパーの葉

これほどシンプルな一皿のため最初のお皿としての仕事をちゃんとしてくれます。

味蕾を活発にさせるための絶妙なバランスで構成された五味。

これを食べ終わる時には感覚は研ぎ澄まされ、ガストロノミーの世界に引き込まれています。そしてアントレ二品目。スペシャリテでもあるディルとフェンネルのスープ 抹茶のラビオリの中にバノンチーズと呼ばれる山羊のチーズを柿の葉っぱで巻いて熟成させたもののソースが入っているお皿。

これがすごい。まず温度感。ラビオリの生地は最適な温度で加熱が止められているのに中のクリームは暖かい。そしてスープは香りが広がる温度帯である35~45℃くらいでいる。そしてすべてを一緒に食べたときの味のバランス感には感無量である。

旨味、爽やかさ、甘み、フレッシュ感と熟成感。素晴らしい一皿であった。

次はメインのお料理

今回は子羊にした。子羊のロティ―とアーティチョーク、黒ニンニクのピューレ

肉の火入れに関してはもうなにも言わなくても良いだろう。繊維をしっかり広げたお肉は素材の最大限のポテンシャルを出している。

ソースはJes de agnion これがもう美味しい。しかしそれでけではもう一つパンチが足りない、そこに黒ニンニクのピューレを付けるとこれが本当に美味しい。

そしてガロニチュールのアーティチョーク。パートフィロでアーティチョークの葉っぱを作りその中にアーティチョーク、そしてその中にミントとアーティチョークのピューレが入っている。これがシンプルなのだが本当に美味しい。

そしてもう一つ小皿でガロニチュールが提供される。こちらはアーティチョークのピューレで創った生地の中に子羊のカイエットが入っている。旨い。

インパクトがありながらも味を単調にさせない工夫があり最後まで楽しめる一皿である。

そして次はブリチーズとブリオッシュの一皿。

子のお皿の構造は香ばしく焼き上げたブリオッシュ、しっかり旨味のあるブリチーズ、そのぶりチーズを使ったムースである。ムースは中にバニラアイス、外にはパウダー、そして最後にドライのぶりチーズを目の前でスライスしてくれる。このお皿もまたバランスの良さが目立つ。甘みと塩味、熟成の香りがしすぎないように油脂分のおおいブリオッシュ、ムースを取り入れるなど、食べてて疲れないのである。

そして最後にデザートである。

デザートは四種類から選べるが今回はショコラとエストラゴンのデザートにした。

これが本当に驚かせてくる。

皿のすべての素材にショコラが入っている。これだけでくどいデザートのように思えるが実際食べてみると手がどんどん進むのである。

構成要素はパリパリのショコラ、エストラゴン風味のショコラ、ブラックショコラ、ホワイトショコラ、ミルクショコラである。

これを一つずつ食べるやはりくどい。しかしすべての要素を一度に口に入れると甘み、コクそしてそれに対する酸味、爽やかな香りとパリパリの食感がくどさを失くしてくれるのである。

全てを食べ終わり、さいしょに感じたのは全てのタイミング、塩梅、バランスがベストであるということを一番最初に感じた。サービスの瞬間、温度、欲しい味、それが自分が欲しい時に来るのである。だから最後までワクワクさせてくれた。

そして、もう一つはストーリー性を感じさせることができる料理だったということ。

きっと今回の大きなテーマは二つ。

一つは夏の爽やかさ。二つ目は自然と素材の香り。

この二つを何も言わずに食している人に伝えることができる。お料理だけでそれを伝えることができ、そしてその感覚を研ぎ澄まさすための空間づくりが完ぺきであったということ。今回の体験は自分にとってものすごく価値のあるものになった。

これからも体験と学びに投資していこうと思う。凄く長くなったが最後まで読んで頂きありがとうございました。  

Merci beaucoup Maison PIC

今日は前働いていたマイクと言う青年がきた。マイクは21歳と言うことを聞いて僕は驚いた。なぜならマイクは皆に慕われ皆から好かれ質問をされるが、しっかり料理を言葉にして全て説明していた。理論がしっかり自分の頭の中にあるのだと言うことに気づいた。マイクは15歳から今僕が働いているレストランで働いていたと言う。そして今はマルセイユの三ツ星レストランで働いているどうしても僕は人と比べてしまう。なので当たり前だが、マイクと出会った時、俺まだまだやなと思った。世界には15歳から料理の世界に入っている人がいる。日本でも18歳から働いている人もいる。自分は今から始まった。人より早く大成する必要はないと思う方もといると思うが、世界と戦っていくにはやはり周りを見てその中で競争していくしかない。そして今日自分はもっとできるなと感じた。まだまだ手を抜いている。やる時が来たらやろうと思っている自分がいる。つまり今本気を出していないと言う事。練習は試合のように、試合は練習のように、とずっと教えられてきた。実際それは当たっている。普段できない事はピンチの時にもできない。120%の力を出すことができるの常に120%をイメージして準備をしているから。その準備が毎日どんな仕事に対しても、自分のマックスのスピードとマックスの技術を使うことだと思う。思っていることをすぐに行動にすることはすごく難しい。しかし毎日自分に言い聞かせ少しずつ自分を変えていきたいと思う。様々な気づきができたこのフランス。治すことを毎日少しずつ治していきたいと思う。長い道のりにはなるが辛抱強くやっていきます。

仕事ができるのは残り9日になりました。本当に毎日楽しすぎます。

こんな職場を作れるシェフは凄いなと実感。

明るい職場、目指すところが同じ職場、こんな職場はそうそうないと思う。

そして一言で空気を一変できる気迫とかっこよさ。そして誰よりも働く姿勢。

チームから愛され、いじられ、時には恐れられ、そして慕われる。

そんなシェフを間近で見ているとやはり積み上げてきたものの多さを感じる。いくつもの修羅

場を這い上ってきた姿が見えるのだ。そんなシェフは愛がすごく、料理への熱意もすごい。

だからお客さんもシェフと話すために、ご飯を食べに来るし、一日に6人以上は友達がシェフ

に会いに来る。それほどに人から愛され、人に愛を与えられる人。

だから自分の最大限のパフォーマンスを出し、貢献したいと思う。

こんなシェフになりたいと思う。

そのためにはトップレベルで毎日戦っていくしかないのだとつくづく思う。

環境にこだわり、そこで毎日自分と戦う。やるかやらないかは自分次第。

明日も頑張ってきます!

今日でフランスで働くことができるのが残り10日になりました。

一番最初の感想はもっとやりたい。もっとここで働きたい。もっと料理を知りたいという気持ちです。残り10日を最高のものにするために今まで通り全力を尽くし日本人として最後まで戦ってきます。最近感じるのは物事への準備が完璧に整うことはないということ、そしてチャンスはいつ来るかわからないし、何度も来ないという来ないということ。

この二つのことはわかっているつもりでした。実際に知っていました。しかしフランスに来てそれを体験しました。渡仏2週間前に決まったフランス修行。身の回りの準備、手続き、心、技術、言葉何もかも不十分なまま飛び立ちました。その先に待っていたのはやるか、やらないかだった。つまり何かをするときは向こうからは来ないし、行動しなければできるようにはならないということ。行動した先の結果は行動したものにしかわからない。そして結果が分かるから準備するものが分かる。だから準備が整う日なんて来ないということ。

二つ目のチャンスのお話。昔からよく教えてもらった。チャンス君はぬるぬるしていてうまくつかめない。そしてそうそう現れてくれないって。だから現れたときにつかめるように毎日、継続して努力しなさいと。しかし自分は続けるということが凄く苦手でした。楽しいことがあればすぐそちらに行きたくなる。そんな子でした。しかし這い上がるためにはこのチャンスを毎回掴むしかないということを実感。掴んで掴んでより上に行くほど崩れやすいから、毎回をちゃんと掴む必要があるということもこのフランス修行で認識しました。


こんなに自分にたくさんの気づきをくれたこの地、このレストランに感謝です。そして送り出してくれた日本の皆さんにも感謝しかありません。

まだまだ成長して帰ります!

Bon journè!!

今週も5連勤が終わりました。休み明け初日にシェフから言われた言葉をずっと胸に抱きなあら仕事をしてきた5日間でした。多分自分は全てが言動に出てしまう。だから今週はたくさんのことを経験し、教わり、失敗しました。でもすべてが成長につながる失敗でした。

今のお店ではマグロを一匹で仕入れてさばいて使っています。なので本当に大きなマグロが届きます。そして毎回シェフがさばいているのを良いなと思いながら見ながら、必ずシェフがさばいた後の仕事がしやすいようにバットを持って行ったり、ごみ箱をそばにもっていったり掃除をしたりとしてきました。なぜならばそのような仕事をすることによりシェフのさばき方が一番近くで見れるからです。マグロは3枚卸しじゃなくて5枚卸なんだとかそこはそうやって包丁を入れるんだとかが知識として頭に入ってきます。そして今週いつも通りバットなどを用意していたらシェフから「できるか?」と聞かれて「はい」と気が付いた時には返事をしていました。YouTubeや前述したとおり知識として頭に入っているがやるのは初めて、しかし返事をしたからには完璧にやってやると始めました。まぁ難しい、骨に身を残さないように身を傷つけないように意識はするもののできやしない。それでは終わった時にはシェフからは良い出来だとほめてもらえ嬉しかったです。最近思うのが部活が体に染みついているなということ。

できるか?やるか?と言われたら「はい」以外の返答はなかったのが中学、高校時代。

あの頃の環境が良かったおかげで自分は成長でき多くのチャンスをつかませてもらっている。本当に感謝です。それからもソースの作り方を教わったり、自分が苦手な包丁の使い方を教えて頂いたりと凄く濃い一週間になりました。この姿勢は自分が死ぬまで一生続けていきます

休み明け初日の営業でシェフにこういわれました。「もう二週間目だぞ」と。

そう進化していなかったのです。今思うと確かに真剣さと気遣い、気配りを怠っていたと思います。ガストロノミーで働けることになり、実際に働き、感じていたこと。今の自分の仕事だけやったらビストロのほうが大変やんということ。ビストロは自分が前菜の中心であり、今の自分では毎日100%出さないと仕事が終わらないという現状があった。しかし今のガストロノミーでの仕事は多くがサポート、営業中は盛り付け、食材の準備が大半である。だから勝手にこのぐらいの仕事なら全然いけるなと思っていた。そこでシェフにしっかり怒鳴られた。

言葉は全てはわからない。でもその言葉にはお前はいまの仕事をなめてかかっている。そして何も成長していない。そんなんだったらビストロに帰れと言っているのは分かった。

それを言われてはっとした。「あ、舐めていた」なにか大きな勘違いをしていたと。今いる場所に、名前におぼれて自分があたかも大きくなったつもりでいた。実際仕事を振り返れば、今の仕事でさえも完璧にはできていないし、信頼もない。そして厨房を観れば、自分の仕事をさっさと終わらせて学ばなければならない仕事がそこには山ほどあった。

このままではいけない。今自分は大きく退化している。自分ができる力を出し切り、共に働いている人たちの役に立ち、その代わりに彼らから技術やチャンスを与えてもらい、話を沢山聞かせてもらう。これがいま自分がするべきことであるとシェフの一言で思い出すことができた。明日から心を入れ替え仕事に向き合っていく。まだまだやれる

カルカッソンヌ2日目。

今日は2500年の歴史を持つお城「シテ城」に行きます。ホテルからシテ城までは徒歩で45分ほど、フランスの美しい街に選ばれているだけあり、飽きずに街を歩けます。30分ほど歩けば何と美術館があり、ひとまず入ってみることに!!奇遇にその時のテーマは「テーブルの上の美学」各時代の食事を描かれていたり、テーブルコーディネートを見ることができました。

そして本命のシテ城に!シテ城は2枚の外壁に囲まれているのが特徴です。そして外の外壁は約三キロもあります。初めは今でも人が暮らしている城下町を堪能しまして、その後お城の中と三キロもある外壁の上をトコトコと歩いてきました。

本当に全てが美しく、三キロが一瞬にして終わりました。城を見る中で敵から守るための作り、生活をしやすくするための工夫、当時のことを想像しながら歩くとすっごく楽しかったです。今度は家族や好きな人を連れてきて感動を共有したいなと思いました。

そこから帰りに最後のカスレを食べて電車に乗り帰ろうと思ったらまさかのトラブル続き。この話は聞きたい人がいれば日本に帰ってから話しますね。

最後にいろいろありましたがすごく楽しい旅でした Merci beaucoup Carcassonne

今日はフランスに来て初めての旅行している。今までニームと言う地から出たことがなかったが、電車で2時間ほど乗ってカルカッソンヌと言う街にきた。そこはフランスで2番目の観光地であるそうだ。

年間来場者数は200万人を超えるらしい。

そんな地に来たのは郷土料理であるカスレを食べるためである。カスレとは白インゲン豆の煮込みである。カスレ専用の土鍋のようなお皿に鶏のお出汁で煮込んだ白インゲン豆、ソーセージ、豚バラ肉、鴨コンフィなどを入れてオーブンで焼き煮にする。

存在はずっと知っていたが今日初めて食べた。街にはたくさんのカスレがあるのでどれにするか迷い、地元のシャルキュトリーのシェフに聞くと一つのお店を紹介してくれた。

そして向かい、心を躍らせながら待ってやっと出てきた。しかしそれは僕が求めていたカスレではなかった。僕には合わなかったのである。そしてそれを食べ終わる頃にはお腹は8分目になっていた。しかしこの不満足なカスレで終わっては行けないと思い、ネットや人に頼らず、自分だけの感で店を探すことにした。そして一件見つけた。

そして注文する。出てきた瞬間これだ!と思った。豚の香り、鶏の香り、そして表面の香ばしさ。そして豆はピューレになっておらずスープは澄んでいる。一口食べるとそれぞれの旨みを吸った豆が僕に感動をくれる。

しかし豆がピューレになっていないから足が濁っていない。それぞれがベストな火入れである。お腹がいっぱいだったがそれは無意識に手が進んだ。

一瞬はどうなることかと思ったがしっかり最後は最高のものに出会えて終わった。

最近考えることがある。それはカフェのアルバイトでも料理は作るし、チェーン店で料理を作っている人も料理人と言われる。

しかし将来自分の名前で店を出し、高いお金を頂くためには料理の圧倒的な差をつける必要がある。誰でもなれる料理人。しかし職人と言われる料理人。どんなものを作れば職人なのかということが少しずつわかってきた気がする。それは感動を与えられる料理人である。今日のカスレは感動を頂いた。それは味だけで感動をもらった。安くて美味しいからではない。味が素晴らしかったからである。

そのような料理人になりたいと強く思った日であった。

少し時間が空いてしまいすみません。

今週は休みが多かったのであまり成長した気がしませんが、その中でももっと丁寧に早く仕事をしないといけないということは分かりました。

なので来週からはその点を意識してやっていこうかなと思います。


ついにガストロノミーでちゃんと働き出せた。

しかしやってみると全然ついていけない。まず今までのいた自分の環境は英語が多く飛び交っていたのだと気づく。ビストロは以外の人も多い。そのこともあり英語が良く飛び交っていた。そして英語であれば耳がちゃんと反応してくれる。しかしすべてがフランス語のガストロノミーでは全く聞き取れない。一単語であれば理解はできる。しかし複数の単語が繋がってしまうとこれが全く理解ができない。これは耳を鳴らしていくしかないなとおもった瞬間である。しかしそんなできないことがあれども仕事は進んでいく。まずは教えてもらった仕事を正確に行う。そこにプラスで気遣いで勝負する。これしか今の自分にはできない。

明日も頑張ってきます